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瓜連まちの風土記 第27巻

瓜連まちの風土記 第27巻

古徳沼と自然

 

【瓜連の丘】
想像の翼がひろがる博物館

 ふるさとのシンボルとなった丘が
 みてきた物語
27表紙
◆瓜連の大地に連なる小さな丘は、遠い昔から悠然とそびえ立ち、人と自然がおりなす物語を見守り続けている。
◆地平線がみえる瓜連の大地にそびえる小さな丘がみてきたドラマを想像するとなぜか元気がでてくる。
◆丘の向こうにひろがる世界を想像するとわくわくする。
◆人々に勇気を与え、人々をはげまし続けてきた瓜連の丘は、私たちの想像力を育むゆりかごである。

平成の大合併前に存在していた自治体の
中で、茨城県で最も面積が小さかったまち、
それが瓜連であった。
大きな工場もなければ、国道沿いに
コンビニエンスストアが数店ある以外は、
広範囲に展開するような大規模チェーン店
などはほとんど存在してこなかったまちである。
27-03

そんな瓜連のまちで、私のまなざしをひきつけた
のは、青々しく壮大に広がる空と大地がまじわる
景観であった。
27-05

見渡す限りひろがる青空にただよっているように
みえる瓜連の丘は、魅力的で、瓜連というまちの
語源にもなっている。
27-07

果てしなくひろがる大地を舞台にくりひろげ
られる人と自然のドラマがある。その相互作用
がつくりだしたたくさんの実りががある。
時に争いながら、時に愛しあいながらふるさと
の人々がチカラをあわせてつくってきたドラマが
きざみこまれている。
連なった小さな丘たちは、悠然と、そんな
ふるさとの物語をじっと見守ってきた。
27-09

静峰ふるさと公園の桜は、私達が訪れた時期が
悪かったため、花どころか葉は地面に枯れ落ち、
寂しい印象を強く感じた。
27-11

しかし、小さな丘は、いつまでも、どこまでも
ひろがるすみわたった青空を背にして、
それぞれの季節がいろどったありのままの
表情で、ほほえんでいる。
27-13

はるか昔から、ずっと瓜連をそこから見守り
続けてきた丘。
そう考えるだけで、小さな丘たちがとても
神秘的に見えてきたような気がしませんか。
27-15

昔も今も、瓜連で暮らしている人々は、毎日、
表情豊かな小さな丘たちを見つめながら、
季節を感じ、生きるチカラをいただいている
のだと思う。
27-17

瓜連というまちは、生活者が主役のまちである。
それゆえ、この土地の生活者は、これといった
歴史や特徴はなく、印象は薄いと感じるかも
しれない。大きな資本がつくりだす経済力の
恩恵を受けることができないために、不便を
感じるかもしれない。
27-19

しかし、生活するのには恵まれた自然があり、
それを見事に活かして暮らしを楽しんでいる
人々がたくさんいて、とても誇らしそうに
私にはみえた。
27-21

私には、小さな丘に見守られ、小さな丘を
みつめながら暮らしている人がいる瓜連の
まちは、私たちの何倍も輝いているようにも、
生き生きしているようにも感じられる。
27-23

 

 

 2015年3月20日 発行
著 者 :佐藤 里香(常磐大学コミュニティ文化学科)
写 真 :森作 勇哉(常磐大学コミュニティ文化学科)
監 修 :塚原 正彦 常磐大学教授
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