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額田まちの風土記 第4巻

額田まちの風土記 第4巻

額田城跡保存会

 

額田を愛する
生きるチカラを育む学芸員
額田4-表

このまちには昔、
額田城というお城があり、
城あとを整備して額田のまちの歴史を
みんなに楽しく知ってもらう活動を
している額田城跡保存会がある。
その会員の1人に、
小田部一彦さんという人がいる。

額田4-3

小田部さんは、
額田城跡保存会の広報を担当し、
「額田歴史の散歩道」
という本を制作し、
観光ボランティアとしても
活躍している。
小田部さんには、
額田のまちを案内しながら
自身の過去についても
いろいろと話していただいた。

額田4-5

背中に大きく「額田藩」と書かれた
紫色のTシャツをまとい、
頭には一番のお気に入りという
帽子をかぶり、
スポーツバッグを肩からかけて
とても楽しそうに
私たちを案内してくれた。

額田4-7

真夏の太陽が照りつけ、
立っているだけで
汗がふきでてくる暑さの中
額田城と額田のまちの素晴らしさを
笑顔で楽しく説明してもらった。
小田部さんが、
額田城跡を歩く後ろ姿は、
なぜかとても大きく見えた。

額田4-9

小田部さんは小さなベンチに
座ったので、その隣に座ると、
いろいろと私に話してくれた。
小田部さんに
元気の理由を聞いてみると、
孫と遊ぶことという答えが
かえってきた。
お孫さんの話をする小田部さんの
姿は、やさしさであふれていた。

額田4-11

小田部さんとの会話は楽しい。
「君はスポーツをやっているのか。」
と聞かれたので野球をしていることを
伝えると、小田部さんはかつて
額田の少年野球のチームのコーチを
していたことを話してくれた。
土日は子ども相手に
バッティングピッチャーを
やっていたという。

額田4-13

額田の少年野球チームは、
それほど強くはなかったらしいが、
ベネズエラや南米のチームと
試合をした時のことを
なつかしく話してくれた。
水洗トイレがなかった時代に、
外国の人を泊める苦労話は、
おもしろかった。

額田4-15

小田部さんと一緒に歩いていると、
すれちがう人はみんな声をかけてくる。
そしてまちの人に、
今日調査のためこの額田を歩いている
私たちをみんなに紹介してくれる。

額田4-17

額田のまちは、みんなが知りあいで、
みんなが家族みたいなもんだ
と教えてくれた。

額田4-19

私たちは、小田部さんから
額田のまちの歴史を
いろいろ教えてもらった。
しかしそれはもちろんのこと、
あいさつの大切さ、
人と人のつながりなど
生きるために
私たちが持たなければならない
大切なヒントを
教えてもらった気がした。

額田4-21

今日小田部さんからいただいた体験と
1つひとつのことばから、私は、
ふるさととつながることの大切さ、
過去と現在、そして未来を
結びつけることの大切さ
それを
知ることができたような気がした。
 

小田部さんは、私たちのような若者に
ふるさとで生きることの大切さ
未来へ夢をいだくための
ヒントをみせてくれる
人生の学芸員であると思う。
 

 

 

 2017年2月13日 初版第1刷発行
取 材 :沖杉 恒輝、井関 翔平、東條 司、谷中 規彦
著 者 :沖杉 恒輝、井関 翔平、東條 司、谷中 規彦
写 真 :沖杉 恒輝、井関 翔平、東條 司、谷中 規彦
編 集 :斎藤 莉緒奈
発行者 :日本地域資源学会
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