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額田まちの風土記 第25巻

額田まちの風土記 第25巻

常陸野ネストビール

 

夢をつかんだ木内酒造
世界に輝く「ネストビール」
額田25-表

「どんなビールが好きですか?」
こう聞かれたあなたは
何と答えるのだろうか?

さわやかな飲みごこち、
軽い味わいなど、
多くの人は
テレビのコマーシャルで
良く目にするビールを
挙げるでしょう。

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皆さんは、
本当のビールをご存じでしょうか?
 

イギリスのエールビールは、
生ぬるく苦みが強烈なのが特徴です。

もちろん日本のビールのように
一気に飲むことはできないので、
大きめのグラスで
ゆっくりと楽しみます。
 

また、ベルギーで有名な
修道院ビールは、
果実を加えたワインを思わせる
「ランビック」、
数年間も瓶の中で熟成させた
「シャンパンビール」
などがつくられており、
ブランデーグラスのような
風味を楽しむグラスで味わいます。

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世界第1の生産国、
アメリカ合衆国では、各地で
マイクロブルワリーが誕生し、
今やその数数千工場。

各工場が
趣向を凝らしたビールを醸造し、
地ビール王国となっています。

額田25-9

一昔前までの日本では、
酒税法という厳しい法律で、
大手4社以外にビールを造る事が
認められていませんでした。

そのため、日本には大手メーカーの
大規模工場で、1番造りやすく、
だれの口にも合う平凡なビールしか
存在していませんでした。
 

そんな中、政府の規制緩和により
小規模のビール工場
(いわゆる地ビール)が認可を
受けられるようになったのです。

規制緩和によって、
木内酒造にもビールを
醸造できる道が開けたのです。
 

しかし、いくら
日本酒を醸造してきたとはいえ、
ビールについての知識も、
ましてやビールの作り方なんて
知りませんでした。

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そこで大手の商社や
ビールメーカー等と
コンタクトをとり
事業計画の策定から
はじめることにしたのです。

しかし、設備費や技術指導料で
数億円もの膨大な事業費がかかって
しまうことがわかりましたが、
とても可能な投資額ではありません。

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事業化は無理かとあきらめかけた時、
インターネットのホームページ上で
カナダのDME社という
ビールの醸造機械メーカーを
知りました。

DME社と電子メールで
何十回も交渉を重ねたことで、
DME社の日本での第1号機を
手に入れることができたのです。
 

また、DME社も
日本での初めての仕事ということで
親身になって相談に乗ってくれ、
彼らの持つビール造りの専門的な
技術や手法、情報、経験を受け継ぎ、
ようやく
地ビール醸造にこぎつけました。
 

そして、ついに
日本酒醸造176年の伝統と技術で、
こだわりのある
地ビールづくりをはじめ、
平成8年9月19日に
ビールの製造免許を取得し
「常陸野ネストビール」の
醸造がはじまったのです。

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ここに木内酒造の日本酒造り、
176年の歴史の
新しい1ページとして
「常陸野ネストビール」が
誕生したのです。

味わいは感動も手伝って120点!

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構想から18ケ月。

日本酒にまけない華やかな香り、
そして苦みの効いた
芳醇なビールとなったのです。
 

日本酒でつちかった
手間をかけるこだわりの技を
ビールという新しい分野に持ち込み
新しい市場を開拓した木内酒造は
ふるさとのこだわりを競いあう
日本のクラグビール市場の
創業者です。
 

木内酒造では、
自分がつくる自分だけの
世界でたった1つだけの
手づくりマイビールを
簡単に造ることができます。

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皆さんも、汗と涙がつまった
木内酒造の努力の結晶の
「ネストビール」を
味わってみませんか。

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 額田25-後

 2017年2月15日 初版第1刷発行
著 者 :佐藤 里香
写 真 :佐藤 里香
編 集 :佐藤 里香
発行者 :日本地域資源学会
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