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額田まちの風土記 第27巻

額田まちの風土記 第27巻

邦楽の会(武藤さん)

 

日本の音が結ぶ絆 額田27-表

茨城県那珂市額田には、
邦楽をやられているご夫婦がいる。
それは、武藤さんご夫妻である。

額田27-3

邦楽とは、琴や尺八といった
和の楽器を使ってかなでる、
日本の伝統的な音楽のことである。
 

元久さんは尺八を、
奥様のまさ江さんは
琴を担当している。
2人は大学の邦楽研究会で
邦楽の魅力にひかれ、
仕事のかたわら、
今も邦楽を続けている。
 

最近はふたりで地域にでかけて
演奏することが増えた。
額田をはじめとした那珂市の
イベントや、学校、レストランで
演奏することもある。
 

生演奏をすることで、
きいている人の反応が見えるのが
新鮮だとまさ江さんは言う。
 

ふたりは、
和楽器にあまりなじみのない人から
「ステキ!」と言われることで
やる気が生まれ、邦楽という
伝統文化のよさを多くの人に知って
もらいたいと思うようになった。

額田27-9

また、
邦楽をふたりで続けることで、
夫婦が同じ時間を
過ごすことができる。
 

息のあった武藤夫妻の間には、
おだやかな時間が流れていた。
 

額田のまちには
古くから続く家があることから、
3世代で暮らす家族が多い。
 

額田小学校では
3世代交流の場として、
小学校の100年の
モチの木をシンボルとした
モチの木まつりが開催される。
 

武藤ご夫妻はそこで演奏をした。
3世代が興味深く演奏を
きいてくれるのは本当にうれしい。

額田27-15

武藤ご夫妻も、息子さんご夫婦と
お孫さんと暮らしている。
子どもの存在が家と地域を
明るくしてくれるという。
 

武藤さんの家には、
子供たちが遊ぶ
明るく楽しい声がひびいていた。
 

歴史と自然のある
豊かな額田のまちで、
子どもという宝物が
地域に見守られながら、
すくすくと育っている。
 

2人がかなでる日本の音は
今日も人々の絆を結んでいる。
 

 

 

 2017年2月13日 初版第1刷発行
取 材 :吉村 双葉
著 者 :吉村 双葉
写 真 :吉村 双葉
編 集 :畑岡 祐花
発行者 :日本地域資源学会
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